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2020/05/02
介護ビジョン6月号掲載 生き延びるために介護事業者が今やるべき一手  

既に緊急事態宣言下での経営をされおられる皆様は、自社の職員で陽性者が出た時に備えたバックアップ体制はとっておられると思います。

 

① 自社の職員の配置・出勤要請の準備

② 介護助手の育成と採用

③ 近隣同業者との協力体制

④ 休業時の利用者のサポート

 

ほとんどの事業所が①の「自社でどうにかする」というところが多いようです。

しかし、まさか、社長が、管理者が、陣頭指揮を取る職員等の複数職員が罹患したことまで想定されていますか?そう思えば、自社の残った職員だけでどうにか乗り越えようと負荷をかける一択だけがベストな選択とは言えないはずです。

なので、以下のようにケースによって選べる複数の選択肢を持つようにしましょう。

 

②については三重県をはじめ25都道県に普及が進んでいるところです。

一見、「介護助手」なんて、現職員の足手まといになるだけと思われがちですが、現在、一部の医療崩壊や保健所のパンク状態はこれを軽視していた結果とも言えます。絶対、専門職にしかできない聖域の仕事なんて存在しないのです。だから、介護職の業務を切り分け細分化し、その細分化した業務のうち、比較的簡単な単純作業の部分を担う「介護助手」という考え方を導入していく、今は絶好の機会でもあります。これはある意味、昨年始まった内閣府の肝いり政策のひとつ「特定処遇改善加算」のグループC相当の人材の育成。いわゆる「介護人材のすそ野拡大」なのです。特に65歳以上の高齢世代の就業を促していくことで「介護人材不足」を補完できるとされています。

<仮説>65歳以上の世代約3600万人の10%(360万人)が求職者で、そのうち約10%が「介護助手」になるだけで36万人の雇用が創出される計算。

 緊急事態宣言・自宅自粛の時期には着手できませんが、一部解除された後の第二波、第三波がくるまでの間に、次の一手として、早めに着手しておきたいです。

実際に、介護助手を採用している現場の声(三重県介護助手導入実施マニュアルより抜粋)

・周辺作業負担が軽減され、利用者へのケアの質が向上してきた。

・介護職の利用者への関わりが増え、リスク軽減につながっている。

・介護助手一人で、190分/日直接介護に関わる時間が増加した。

・介護職の残業時間が削減された。(介護助手の人件費とトントン)

・時間的にも精神的にも余裕ができ、従来したくても何年もできなかったレクリエーション活動に取組めた。

・認知症の利用者の個別対応が困難だったが、「介護助手」の見守りにより、帰宅願望や徘徊への個別対応が可能になった。

・当初、高齢者を職員に受け入れるということに戸惑いや混乱もあったが、結果的に、組織として多様な人材を「受け入れていく」という組織力がついたと思う。(ダイバーシティ能力)

・介護職員たち自らが専門性をつけたいという意識が強くなってきた。

  

③については、

当社の顧問先の事業所(デイサービス)の職員が濃厚接触者になったことがありました。掛け持ちで働いているもう一つの事業所の利用者が感染陽性になられたのです。直接サービス提供に関わっていたという点で、第一次接触者(濃厚接触者)です。2月末時点で、顧問先の事業所には狭義の「緊急事態宣言」を出すように指示しました。

1. 当該職員の2週間の休業指示。

2. その他職員(二次接触者)に毎朝検温と職員互いの顔色指先確認。

3. それらの記録(利用者と同様一覧表作成)。

4. 対策委員会設置準備のための準備(労使関係の協議)。

5. 近隣事業(当社顧問先同士)の連絡網構築(モノとヒトのバックアップ支援準備)。 競合他社と連携なんてなかなか出来ないという声もよく聞きますが、今回は、たまたま当社の顧問先同士だったため、うまく連携でき、双方の体制を知って、補完しあえるいい機会にもなり、デメリットよりも大きなメリットが得られる効果があったと思います。

6. 対策委員会の設置

 (1)情報収集担当

 (2)対行政担当(保健所、メディア)

 (3)対取引先担当(他事業、利用者、ご家族)

 (4)内部調整担当(職員体調、職員家族、給与保証等)

 (5)委員長は最終決定者であり、他の担当を掌握すること。

  (委員長が罹患もあるので最少2名以上の副委員長も設置)

 

④については、その休業が1−2日単発で終わるものなのか。無期限長期、または不定期に断続的に続くものなのか。

どちらのケースかで対応が変わってくると思います。

私が強くお伝えしたいのは、決して「休業」を真っ先に考えないようにしてほしいです。止むを得ず休業になったとしても上記1、2に沿って、利用者様や地域の信頼を手放すことにならないよう「真摯に」「隠さず」「スピード重視」で公開することが重要です。そして、これから罹患する職員も、利用者もなだらかかもしれませんが増えていくことは間違いありません。

その治った利用者、またはスタッフをいつ、どのようにサービス復活させるかの基準を決めておく「出口戦略」も事業所と自治体と話し合いながら決めておく必要があります。

 

介護経営者として、内部環境の変化はおろか、国内、地域等の外部環境、そして、それにもまして世界が大きく変動しているところに目を向けていかなければなりません。そのひとつはリモートワークです。

「介護には関係ない、人と人の接する仕事だから」と思われる向きもあるでしょう。ただ、それだけで内部を変えないで今までのままでいようとすることは世の中の全体の流れ、つまり「新時代の働き方改革」の逆流を張ることになってしまいます。リモートワークが介護にどう働き方を改革させるのかというと、一番影響を大きく与えるのがサービス担当者会議です。

既にAIやICT導入を課題にしている事業者も増えてきています。

当社の顧問先の一つで、独自のリモート会議ソフトの実証実験中のところがあります。それは同一法人だけでなく、他社職種も巻き込み、リモート会議参加条件としては、「カメラやスマホがあること」だけ。

参加職種の幅も広がり、ご家族、特に県外にいる息子様や医薬機関もお声だけまずはかけることで、より利用者に寄り添ったサービス展開が可能になるはずとのことです。そういう取り組みが「選ばれる事業」になるのは間違いないでしょう。実証実験されている事業所の使ってみた感想は

<メリット>

「移動時間がゼロになった」「駐車場代が浮いた」「利用者にとって来客者が少ないことで気持ちに余裕が生まれた」「発言者にも緊張感が生まれ、画面で大きくなるため存在感も感じられた」「録画機能もあるため、その後の研修や指導にも使えた」等。

 

< デメリット>

「電波が届かないとこは導入できない」「行政との調整が必要。開催可否は結局行政判断がいる。担当者会議、モニタリング、退院退所等の加算要件」「担当ケアマネがどこで参加するかも各場面での確認が必要」「慣れるまでの質の平準化や検証が必要」

(参考)2019.6月に厚労省から政策指針が出された「介護分野における生産性向上について」をご参考まで読んでおいてください。

 

経営者にとっては、現在起きていることは「悪夢」のような異常事態であると思います。今までの当たり前に採ってきた人事戦略をはじめ、経営戦略も平時に想定していたものばかりであったと思います。しかし、この「異常事態」から見えてくるものが本質的かつ重要な課題なのです。

現に、「職員離職率が上がっている事業所」「休業しても世の中に何の影響も与えない事業所」「大勢で集まるのが怖いからと言って意外と簡単に2週間休める利用者」等。

言葉は悪いですが「無駄」が削げてきているのではないでしょうか。

この異常事態が収束していく過程において企業においては、絶好の「平時」に向けた検証の機会であり、それを踏まえて、本質的な人事戦略の課題を認識することが、着実な回復・再成長につながることは間違いないです。

やるなら今でしょう。

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